監督: コード・ジェファーソン
主演: ジェフリー・ライト、トレイシー・エリス・ロス、ジョン・オーティス
公開・配信情報
✅Prime Video ※見放題 2024年10月時
侮辱的な表現に頼る“黒人のエンタメ”から利益を得ている世間の風潮にうんざりし、不満を覚えていた小説家が、自分で奇抜な“黒人の本”を書いたことで、自身が軽蔑している偽善の核心に迫ることになる。
アカデミー脚色賞受賞、他合計5部門にノミネートされた話題作。アメリカ社会を新しい角度で皮肉する新鮮なコメディ映画です。コメディですが、かなりリアルにツッコんだ設定で、こころにグサッとくるモノ悲しさを引き寄せます。
アメリカならではの社会風刺が切れ味よく効いた一作。見ている観客まで自らを振り返るような皮肉がこの映画に仕掛けられています。
社会風刺を題材にするアメリカ映画は多く、この映画がもたらす新鮮さは一定の評価は得るものの、食べ尽くされた題材を無理に広げている感想を抱く人も多くいます。
まさかのラストです
混乱が舞い降ります!!
笑っていいのか・・・ 考えさせられたらいいのか・・・
決して単調には受け止められない、ブラックジョークが効きすぎの一作!
この映画を理解するポイント💡
①黒人で小説家の主人公(モンク)が、侮辱的な表現をする世間の黒人像を嫌っているのに、そこを逆手に、そのステレオタイプな黒人を主人公にした小説を書いた。
②売れた、ベストセラー!
③モンク悩む
これにより、まるで黒人差別問題を取り上げて騒ぐアメリカ社会を皮肉っているような感覚です。
主人公がずっと言ってました。
「売れた小説は黒人差別に罪悪感を抱く白人を慰める内容で馬鹿げてる。」
書いた小説はベストセラーになるし、表彰されるし、白人に絶大な指示をされる。
ただモンクが言うように、黒人差別問題を私たちは重要と捉えていてえらい!前向き!という態度につながるように、その行動が黒人のステレオタイプを作り出しているということです。
まさにそれをこの映画全体で語っているのです。
社会問題をエンタメ化し、取り上げるということは偽善と言われてもしょうがないという話だと思います。
アメリカンフィクションは、その話の骨子を最後の最後まで貫き通します。
社会問題を新しい角度で、徹底的に切っております。
・・・・もはや、結局こういう映画をエンタメとして消化し、学んだ気になって、こんな文章を書いている私も、モンクに嘲笑される気がしてなりません汗
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