オッペンハイマー 公開日(日本): 2024年3月29日
監督: クリストファー・ノーラン
主演: キリアン・マーフィー、ロバートダウニーJr、エミリー・ブラント
公開・配信情報
✅Prime Video ✅U-NEXT ※レンタルのみ 2024年10月時
あらすじ
「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者、J・ロバート・オッペンハイマーを描く人間ドラマです。彼の原爆開発まで道のりと、その後の開発による戦争の想像を絶する影響にもがき苦しむ姿を色濃く映し出します。
見ていない人へのPR文
2024年アカデミー賞の台風の目となった話題作。原爆を発明した科学者がどのような経緯で開発までに至ったのか、そして投下された前後のアメリカ視点の社会はどのような状況だったのか、オッペンハイマー自身は何を思い何をしていたのかが詳細に描かれています。原爆実験の音と迫力が凄まじく、原爆開発者としての苦悩がリアリティ深く映し出されています。
支持派の意見
映画の中身は賛否両論だが、それを除いた映像と音の良さが桁違いという声が多く見受けられます。
反対派の意見
話が複雑すぎるという声が多いです。会話劇で、その話についていけない人は不満を抱いています。
私の意見・感想
シンプルに言うと、この作品の魅力はこれです。
オッペンハイマー=【伝記エンターテイメント】
原爆を開発したオッペンハイマーの半生とともに、心情を丁寧に描きながら人物像を私たちに提示してくる伝記的な内容ですが、
クリストファーノーランの真骨頂
IMAXフルサイズの画角をストーリーテリングにうまく演出として取り入れ
原子の化学融合や、原爆実験の爆発を効果的に魅せてきます。
さらに、歴史を順番になぞる形ではなく、映画の進め方は開発までのタームと、アメリカ国内における、原爆投下の責任は誰にあるかを問いただす聴聞会と公聴会を交互に、時系列を惑わすような作りで構成されています。
そして、どんでん返し的な展開で終焉を迎える見せ方は、ただ単の伝記映画として作るのではなく、あくまでもノーランが仕掛ける観客を飽きさせないエンタメ要素を強くさせ、工夫しています。
「原爆」という、かなりデリケートな題材にエンタメ要素を入れることは挑戦的ですが、ノーランの狙いは第二次世界大戦の原爆にまつわる歴史を正しく捉えさせるため、それを飽きさせず観客に見せるための効果として、エンタメを入れていると私は感じています。
原爆投下を受けた日本側として、映画内で気持ちが居た堪れなくなるシーンは結構あります。ただ、それに映画製作者側に尊厳を持っていないと思うシーンはなく、「事実的にこういう歴史がアメリカ国内にあった。」という捉え方ができるので、怒りにつながる感情は湧きませんでした。
しかし、時系列バラバラで会話劇、歴史という難解さにより、かなり疲れるハードな映画です。
(個人的に、ソーシャルネットワーク以来かそれ以上の鑑賞後感でした)
”日本側”から見る第二次世界大戦ではなく、”アメリカ側”の視点を学ぶよい題材映画でもありますが、
本当に!!!
音と映像の迫力がとてつもないので、体感満足度は群を抜いております。
彼が放つ、名言には考えさせられました。
「成し遂げたことは、自分で責任を取らされる。そして散々罰された後、人々は君を許すだろうが、それは君のためじゃなく自分達のためになんだ。」
(実際のセリフとは違いますが、こういう意味のことをいってました。こわい)
コメント