本作は、Facebookの創設者であるマーク・ザッカーバーグが、大学生時代に友人たちと共にFacebookを創設し成功を収めていく過程を描いたドラマです。しかし、その成功には友情や個人間の関係にも様々な影響を与える波乱も含まれています。
Facebookの誕生とその背後にあるドラマを描いた作品であり、スリリングな展開とキャラクターの複雑な心理描写が魅力です。デヴィッド・フィンチャー監督ならではの洗練された演出も必見です。
セリフだらけの
ヒューマンドラマ系映画なのに
あっという間!!
世界的なソーシャルメディアを作り上げた男たちのアツくて切ない物語はデビッドフィンチャーによる最高の話運びで、想像を超える充実感を与えてくれます!
話のプロット
Facebookを作ったマークザッカーバーグとその相棒・オズワルドが、元親友でありながら、Facebookの発展の最中にトラブルが重なり、終いには裁判になってしまいます。お互いの主張を整理する聴聞会を軸に、それまで2人の間に起こった歴史を辿っていく話です。
なぜ、大学生のころに熱狂してFacebookの元アイデアをいっしょに作ってきた相棒と裁判になるところまでに至ったのか・・・
スタートアップビジネスにおいて近い物同士で起こってしまう、友情と仕事の折り合いに関わる葛藤をうまく描いています。
この映画は、会話劇なのに退屈する瞬間がほぼなく、神がかったテンポと音楽と俳優たちのうますぎる早口に巻き込まれて、一瞬で2時間が過ぎます(!!)
エンタメのとしての伝記
脚本は、実話を元にしていますが、脚色がかなり入れ込まれています。
Facebookの前身であるFacemashやtheFacebook時代で、そのときの彼らに本当に起きたことや感情は忠実でありつつも、映画をテンポ良く見せるための演出を入れています。
ちなみに、脚本はベースとしてオズワルド側の話を中心に、マーク側の話はインタビューができず、映画の中でもマークの言動に関する真意が不明なところが所々あります)
つまり、伝記モノのようなテーマに見える映画ですが、人間関係の描写が結構劇的で、エンタメ的に見えるように作り込まれています。
メインキャストの3名の魅力☆爆発
マークザッカーバーグを演じた、ジェシー・アイゼンバーグはオタッキー特有の専門用語連発の早口にも関わらず、そのうまさと似合い過ぎている理系陰キャ男子が幼く可愛く見えます。
オズワルドを演じた、アンドリュー・ガーフィールドは凡人ながらもハーバードでのし上がろうと必死な若者で、マーク想いの優しい相棒です。
マークがひとり成功に進んでいくのを横目に、自分は置いてけぼりを食らう可哀想なやつですが、ただ感情が先立つ愚かに見えてしまう非常に損な役回りです。アンドリュー・ガーフィールドは、上擦っている青年期の男子感を見事に演じています。(学生ながらFacebookのCFOと何度も名乗ったり、かっこつけスーツが絶妙にダサいなど・・・笑)
そして、映画内で、2人が仲違いをする一番大きなきっかけとなった人物。起業家・ショーンパーカーを演じた、ジャスティン・ティンバーレイクです。
彼が私の中で、この作品のMVPです!(どうですかこのペテン師イケメン感)
最高の・・・意識高め☆パリピ☆青年を演じています。カリフォルニアで事業を起こして有名になり、次の”花火を打ち上げる”素材として、マークらのFacebookに目をつけます。ビジネス童貞のマークにとって、ショーンは魅力的でイケています。非常に手練れで、どことなく詐欺師っぽい顔と流暢な話術を駆使する姿が最高です。本当のショーンパーカーもこんな感じの人なら面白いなーと思いました。
・・・
デビットフィンチャー監督の作品の中でも、
え!ヒューマンドラマ系!?
と、異質を放ってそうですが、
いやいや、緊張感と切れ味たっぷりな演出が備わったクールな映画に仕上がっています。
Facebookまわりの伝記映画というレッテルは是非捨てて、ご覧ください!
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