イエスタデイ 【もしもボックス映画】

ミュージカル系
イエスタデイ 公開日(日本):2019年10月11日

監督: ダニー・ボイル

主演: ヒメーシュ・パテル、リリー・ジェームズ

公開・配信情報

✅Prime Video ✅U-NEXT ✅NETFILIX ※見放題 2024年10月時

    

あらすじ

突然世界中でビートルズの存在が消え去り、その音楽も記憶されていないという奇妙な世界に取り残された若いミュージシャン、ジャック・マリク(ヒメーシュ・パテル)の物語です。彼は、ビートルズの楽曲を自作として発表し、瞬く間にスーパースターに駆け上がるが、その代償として自らの本当の夢や愛に疑問を抱き始めます。映画は、音楽、愛、そして誠実さの価値を探るユーモラスで感動的なストーリーです。

見ていない人へのPR文

ビートルズの名曲をバックに描かれる、愛と音楽に満ちたタイムレスなファンタジーです。想像を超える展開とともに、音楽が持つ力の素晴らしさを再確認させられるこの作品は、ビートルズファンだけでなく、誰もが楽しめる感動作です。夢のような設定と心温まるストーリーが、あなたの心に響くこと間違いなし!

支持派の意見
 ビートルズの音楽と現代の感覚を見事に融合させた点を高く評価しています。ヒメーシュ・パテルの素朴で魅力的な演技や、ビートルズの楽曲を新たな視点で楽しめることが好評です。また、監督ダニー・ボイルの独特な映像美と、リチャード・カーティスによる脚本のユーモアも称賛されています。
反対派の意見
 物語の設定に対するリアリティの欠如や、ビートルズの音楽に対する敬意が不足していると感じる観客もいます。また、物語が進むにつれて展開が予測可能になり、終盤にかけての盛り上がりに欠けるという批判もあります。さらに、ビートルズの不在が世界に与える影響が描かれていない点が不満を呼んでいます。
私の意見・感想

 設定だけで、楽しいやつ。です。

「もしも・・ビートルズを自分しか覚えていなかったら・・・。」それを映画化して現実っぽく見せてくれるので、自分だったらって想像を掻き立ててくれます。生演奏にこだわってたらしいので、実際にビートルズの曲がかかるときがとても楽しい気持ちになります。

初めて聞くイエスタデイ

このワンシーンで結構やられてしまいます🥹

全世界でビートルズが忘れられしまい、売れないミュージシャンの主人公ジャックは、友達の前で徐にイエスタデイを演奏します。その瞬間、普通の世界が素晴らしく感じるような感覚に陥ります🌍もちろん、私たちは知っている曲なんですが、ジャックの友達が初めて聴いているような反応と、ジャックがその前に自作の全く心に響かない歌を披露したのも相まって、いざイエスタデイを聴くと物凄くいい曲に聞こえてきました。聴いている友達が、「なんていい曲なの」という反応に、ジャックがそらそうでしょっていうやりとりが面白かったです😂

次々とビートルズで売れていく快感
 世紀の大盗作による、ジャックのサクセスストーリーは行くところまで行きます。
町の作曲家に目をつけられ、ローカルでアルバムを出したら噂と口コミで瞬く間に、SNSで有名になり、名プロデューサーに認められ、レコード契約まで至ります。忘れられようが、ビートルズの曲がいいものしかないことが証明されていて気持ちよく、映画内でみんなが初めて次々とビートルズの曲にハマっていく姿が快感です。
そして、あのビッグアーティストのエド・シーランまで登場します。
私的MVPのエド・シーラン

偶然、ジャックの曲をラジオで聴いたエド・シーランが登場します。エド本人が、エド役として出演しているのです。しかも、すごくメタ的な出方です。

エドが自分のツアーの前座として、ジャックに同行を依頼し、アーティスト仲間としてジャックを引き入れる話の流れで、登場してきます。そこでの立ち振る舞いがなんとも、自ら皮肉ったような演技をしています😂ライブ会場まではプライベッドジェット、スタッフを集めてイカしたライブ後の打ち上げなど、

まるでファンが、「エド・シーランてビッグで、こんな生活をしているのだろう」と考えるような、意識高い系シンガーソングライター像をエド自らが演じている。そんな滑稽さに笑いが止まりませんでした。

終いには、ジャックの才能に嫉妬して、制限時間内に一曲書くというゲームをみんなの前で初めて、ジャックがさらっとthe Long and Winding Roadを演奏して(選曲がせこすぎる笑)、思い切り敗北するシーンもあって、笑えて切なくなってしまいました。

このように、もしも映画としての面白さがしっかり担保されていますが・・・

脚本はかなり普通です。薄めの恋愛ストーリー・ボンクラ主人公
 ジャックとヒロインである幼馴染のエリーとの恋愛がベースに含まれている脚本になっています。
 エリーは売れない時から、ジャックを応援しビートルズの曲を作り始めの頃も支えていましたが、ジャックが売れたら田舎出身の自分がイケイケのジャックに合わないと2人は恋人同士になりそうだったになれず、仲違いします。
 ジャックが若干胸糞悪い、ボンクラ主人公として描かれています。
エリーの気持ちに気づかない鈍感すぎる性格や、見た目がみすぼらしく、人と話すときも基本ボーッとしていて、他人をイライラさせる言動が多いタイプです。だから、見ながらなぜエリーはこんなやつが好きなんだろうと不思議までさせてきます。(学生の頃オアシスのワンダーウォールをライブで弾いている姿に惚れているだけです。理由もかなり薄いです。)
そして、ジャックは結局エリーのことが好きと気づき、エドシーランのライブを利用して公開告白をして、自分が出してきたビートルズの曲をフリーサイトに投稿する大横暴で結末を迎えます。大訴訟もんのはずなんですが、ハッピーエンドになっています。
リアルな社会派映画が消費されてきている現代には無理があります。
他にもツッコミどころがなかなか多いのですが、このように脚本は少し脇に追いやられた、しかし曲やもしもの話が素晴らしい面もあるので、複雑になる映画でした。
ビートルズ好きのための、映画好きのためではない、一作でございます。

コメント